日本で少子化が一般に認識されて以来、
合計特殊出生率は、一貫して低下傾向にあります。
内閣府によると、2006年に1億2,774万人だった総人口は、
2048年には9,913万人、2060年には8,674万人となり、
21世紀末には、3分の1まで減少するとまで推計されています。
これは、企業にとっても、労働力、とりわけ若年労働力の減少として、
大きな影響をもたらすことになります。
したがって、若手をいかに育成し、
彼らの能力を最大限に活かしていくかということが、
企業の存続にも関わる重要課題となっています。
また、いわゆる「団塊の世代」の退職により、
ベテラン社員が半減していくなか、
企業が保有する技術・技能やノウハウを、
いかにして、若手に継承していくかということも
緊急課題となっています。
昨今の、若手を中心とした雇用情勢はというと、
依然、厳しさが残るものの、
このところ、景気が回復基調にあることもあり、
日本経団連の「新卒採用(2014年4月入社対象)に関する
アンケート調査結果」によると、
新卒者の採用実施企業割合は2年連続増加傾向にあります。
今後の少子高齢化の進行も見据え、
優秀な人材を確保するための、
各企業の新卒者採用活動の活発化がうかがえます。
若手育成の重要性をふまえ、
企業が取り組んでいくべきことはどのようなことでしょうか。
日本経団連による提案をいくつかご紹介します。
■長期的視点で育成
企業をとりまく課題や環境の変化に柔軟に対応しながら、
理念や、技術・技能を継承していくために、
長期的な視点にたって、企業の将来を担う若手を育成していくことが必要です。
短期的な成果や業績を求めるだけではなく、
若手の将来性や可能性を重視し、じっくりと成長させていくことが大切です。
例えば、仕事の結果だけではなく、
そこに至るまでの工夫やプロセスなどを評価することも必要です。
■一人ひとりに合わせた成長の機会と環境づくり
若手にチャレンジする機会を与えたり、
日々の実務を通じて、力をつけていけるような環境をつくることも重要です。
上司は、一人ひとりの能力に合わせ、
成長の機会となり得るチャレンジングな仕事を与え、
柔軟にサポートをすることが求められます。
「ハードルの高い」仕事を任され、それにチャレンジすることで、
確実に力がつき、また、仕事への意欲の向上にもつながります。
もちろん、全員が課題に成功できるとは限りませんが、
人材育成を長期的にとらえた場合、これらも投資と考え、
このようなリスクを負う覚悟も必要となります。
■自主的・選択的なキャリアの形成を支援
若手社員が自主的に自分のキャリアを考え、経験を積んでいくために、
企業は、さまざまなキャリアプランを用意し、支援することが必要です。
例えば、社員自らが自分のキャリア・パスを見据えて、
自主的に研修メニューを選べる「選択型研修プログラム」、
社員が希望する職種と仕事内容をマッチングさせるための
「社内公募制度」や「自己申告による異動制度」などの政策が挙げられます。
また、さまざまな部署で経験を積みながら、広範囲における知識や技術を身につけ、
経営幹部候補を目指すゼネラリストや、
それに対し、特定分野において、深い知識や優れた技術を身につけるスペシャリストなど、
複数のコースを設定する「複線型人事制度」を導入する企業もあります。
ほかにも、一人ひとりの価値観やライフスタイルに対応するため、
仕事とプライベートの両立を支援する環境をつくることも欠かせません。
例えば、「フレックスタイム制度」「短時間勤務制度」をはじめ、
「育児休業・介護休業制度」などの各種休暇制度、「再雇用制度」など、
できる限り多くの選択肢を用意することが必要です。
これらの制度による支援や、選択肢の多様性は、
働きやすさ・信頼感など、企業の魅力を高め、
優秀な人材の確保をも可能とするでしょう。
また、自主的に成長していく人材こそ、
企業の存続・発展のためには欠かせない原動力となるはずです。
■人材育成担当者のスキルアップ
若手社員を育てるべき担当者が、自身の成果を上げるために、
部下の育成がおろそかになってしまう場合があります。
企業はこれを重く受け止め、
担当者の、人材育成以外の業務に対する負担を減らすなど、
人材育成を本来業務として、徹底していく必要があります。
また、担当者と若手社員とのコミュニケーションがうまくいかず、
人材育成に支障が出る場合もあるため、
担当者に対する「人材マネジメント研修」を実施するなど、
コーチングスキルをつけさせることも重要となります。
戦後、多くの企業が生産性・効率性・コストダウンを重視し、
それらのための制度やシステムを整備し、取り組んできました。
しかし、現在は、高機能・高付加価値のある商品やサービスが
求められる時代となっています。
企業は、従来の価値観や発想を転換し、
こうした時代にも対応できる人材を育成し、
より、高付加価値を生み出していかなければなりません。
企業の将来を担うのは若手社員です。
若手育成こそが、企業の未来を握る最も重要なテーマと位置づけ、
若手が主体性をもって行動し、その能力を十分に発揮できる環境づくりに、
企業全体で取り組んでいくことが、企業の発展や競争力強化につながるでしょう。
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