「社風」という言葉はよく聞く言葉ですが、具体的に社風とは一体どういったものなのでしょうか?
まず一つ目には、その会社を率いる人の意向が大きく影響する事が多いものと考えられます。創業者の精神を何代にも亘って引き継ぎ、会社の意思決定の方針としているケースや、社長や代表者の(大なり小なり)カリスマ性に引っ張られるケースもあります。カリスマ性のある代表者には社員が強い魅力を感じるものですね。
次に、業種やその組成によってもかなり社風が変わってきます。営業職が多い職場、専門職が多い職場、デザイナーが多い職場、教育現場など、どういった職種の人がどの程度の割合いるかによってもかなり社風が変わってきます。最も分かり易い例だと、「固い社風」「自由な社風」といった言い回しが良く使われています。「固い社風」だと、教育現場や金融機関が真っ先に思い浮かびます。「自由な社風」だと、IT企業やデザイン事務所などが挙がるでしょう。
また、その会社に勤める社員が一体どういった人たちなのか、それによっても社風が左右されます。もちろん、どういった人々が集まるかはその会社の業種や職種によって変わってきますが、同じ業種で同じ職種の社員が同じような数勤務していても意外と社風は変わってきます。
それは社風が、代表者の意向など、他の要素と組み合わさってできていくものだからだと考えられます。
いわゆる「人材輩出企業」の大手グループが主催している、心理テストのようなものがあります。そのテストを受けると自分がどういった職業に向いているのかを判定してくれるという、「何をしたらよいかわからない」新卒大学生には非常に有難いテストです。筆者も新卒当時、そのテストを受けたことがあります。結果は、最も向いている職業が「イラストレーター」。そこまでごく一般的な企業ばかり受験してきた筆者が、その結果を見たからと言って実際に進路を変更してフリーでやっていこうとは思いませんでしたが、しかしなぜそのような結果が出たのかは非常に腑に落ちました。筆者は、自分で考え、自分の責任で行動していきたい性格です。逆に最も向かないのは、「周囲の同僚とつるみ、常に顔色を伺いあって、陰口を叩き合い、トイレも食事も退社もみんないっしょにする」タイプの職場です。「人は人、自分は自分でしょ」と思う筆者は、歯に衣着せぬ物言いをし、それが周囲にとってはまるで「空気を読めない」ように映るようです。実際はそういうことではないのですが、そう受け取るような人が多い会社が実際にあって、それがつまり社風なのです。その際、筆者ひとりが「それは間違ってませんか?」などと声を張り上げても全くのムダです。なぜならほとんどの場合、たかだか一社員ごときに、社風は揺らぎません。会社ごとに、その会社の暗黙のルールがあり、そのルールに馴染まない人にとってその会社はアウェイとなる。それこそがまさに社風なのです。
それでは一体どうしたら、自分に合った社風を持つ会社に入社することができるのでしょうか?
もちろん前述のように、心理テストなどの客観的指標を頼るのもひとつの手段なのですが・・・社会人の皆様は既にお気づきでしょうが、それだけでは全く不十分なのです。
やはり最終的には、その会社の内部に入ってみないと、全然わからないということでしょう。しかも部署ごとに全く雰囲気が異なる場合もあります。
とはいえそれでは身も蓋もありません。少しでも自分に合う会社を探すためのコツは、まず、可能であればでお客としてその会社と関わってみること。難しければ、面接の中、あるいは現場担当者との面談をお願いし、直接どんな人がいるのかを知るのがベターでしょう。
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