強い組織を作るには経営者の考えや思い、経営理念を社員と共に共有しなければならないと言われます。
会社は何の為に存在するのか、どんな目的の為に事業をしているのか、
これからどんな会社になろうとしているか等、経営者の考えや理念を明確に社員に示し、
それを社員と共に実現していくのが経営の本質であると思います。
その上で、理念や方針を伝えるにはどうしたら良いか。
それは社員が分かるまで何回も話し続ける事が大切。
エネルギーのいる事ですが、これを惜んだり、言う事をやめたら社員に思いを伝える事はできないし理念の共有もできません。
「社長はこんな思いで経営をしている」「社長はこんな大きなビジョンを本気でやろうとしている」
と社員に伝わった時、社員は社長の思いの実践者、実行者となり、期待以上の成果を出す事もあります。
松下電器の創業者である松下幸之助氏は、3年間毎日朝礼で自分の考え、思いを社員に話し続けたといいます。
またホンダの創業者 本田宗一朗氏は創業間もない頃、
やはり朝礼で、「ホンダは世界一のオートバイメーカになる」と工場の従業員の前で話し続けたそうです。
それが今日の松下電器であり世界のホンダです。
実は社員に話し続けるという事は、経営者自身の意志を強くするためにも必要不可欠な事なのです。
どんな小さな会社でも経営者が社員に向かって真剣に話し続ければ、
最初は「そんな馬鹿な」とか「社長の都合であんな事言っている」「そんな事できるわけがない」と言っていた社員も、
いつの間にか社長の考え思いに共鳴、共感し最大の理解者、協力者になるのです。
先に紹介した、松下電器の総業者である松下幸之助氏は部下から報告を受けた際、
すぐに判断や感想を言わずに質問をする事が多かったそうです。
聞かれた方は今までの反省や課題、また自分の思いなどを一生懸命考え答える。
松下氏はうなずきながら、相手の話をもっと促す。
そんな一生懸命質問に答えていただけであったのにも関わらず、
対話の中から自然と「価値観が共有できた」と感じる事が出来た。
そこから見い出された人材育成方が”コーチング”です。
「答えは相手の中にある」つまり、対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術。
間口の広いオープンな質問をし、相手にどんどん話をさせ、
それに対し意見を言うかわりに視点を変えポイントを確認する質問をする。
そこで相手の主体性と行動を促すというコミュニケーション技法です。
米企業では、部下の業績向上の有効な手段として、管理者にコーチングの習得が
求められる場合もあるそうです。
思いを共有する方法として、「発信力」や「指示の的確さ」だけでなく、
「聴く力」や「相手に話をさせる力」で相互理解が生まれ、
思いを共有できる方法もあるのです。
そのためにまず出来ることは、良い人間関係を作る!
相手に関心を持ち、相手を受け入れ、共感し伝える!
そこから何かが生まれるのではないでしょうか。
これから出会う人、また今いる仲間を理解する行動を積極的にしていきたいものですね。
最後にデール・カーネギーの名言をご紹介します。
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あなたが明日出会う人々の4分の3は、
「自分と同じ意見の者はいないか」と
必死になって探している。
この望みを叶えてやるのが、
人々に好かれる秘訣である。
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