高校生・大学生時代に多くの人が経験するのがホールスタッフ。
特に食品を提供するいわゆる「フード系」に勤めた経験がある学生が、その後ホールスタッフ離れを起こすという事実が問題として取り上げられています。
一体なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか?
学生がアルバイトしやすいのは、ファストフード店やファミリーレストランなどが多いでしょう。実際それらでアルバイトしたことがある人は非常に多いようです。しかし彼らはそこでこう学んでしまうのだそうです。
「フード系は、安い給料できつい仕事をさせられる。」
そういった思いが強くなり、いざ卒業を目前として就職活動を開始すると、当然のようにフード系を中心としたホールスタッフの求人を避けて通るようになってしまいます。
これには社会の側にも責任があります。安価な商品を求めるあまり、そこで働く人たちの待遇を下げてしまうという面で問題があるとも言えるでしょう。特に学生はまだ社会経験が乏しく、そういった条件の悪いアルバイトをせざるを得ないという状況があることは否めません。
しかし実際のところ、(まだ十分ではないにせよ)少しずつ上向いてきた景気のおかげもあって、ホールスタッフの募集は数多くあります。長く続いている就職難の状況から考えると、ホールスタッフとして就職するというのは非常に有利だという一面もあるのです。
なぜかというと、まず、人材が不足している分野だから、というのが大きい要素です。お店側としては、いくら求人を募っても、なかなか集まらないことに頭を抱えていることが多いのが現状。そこへやる気十分で乗り込んで行けば、間違いなく重宝される人材となれるのです。すると、そこで経験を積めば、徐々に責任ある役割を任せえもらえるようになっていき、さらに遣り甲斐が増していく・・・という良いサイクルをもたらしてくれます。
一方、ホールスタッフの求人を避けて通り、希望通りに典型的な「パソコンに向かうサラリーマン」の座を得た人たちは、一体どうなるのでしょうか?もちろん、会社から高く評価され、出世していく人も、中にはいるでしょう。しかし、ほとんどの人がそうはいかないのが現実です。とうの昔に年功序列が崩れてしまい、じっと耐えているだけでは上へ昇れなくなってしまったのです。もちろん何年勤めても、親世代のようにどんどん昇給するといったことは全く望めません。給料が上がらないのに責任だけが増え、遣り甲斐を見いだせない・・・。そんな人が、年を重ねるごとに増えていくことでしょう。
しかしホールスタッフは違います。人材が不足しているので、責任あるポストの空きもそのぶん多いと言えます。いつまでも現場の最前線に居たいと強く望んでいる場合を除き、いずれは管理者のような立場になっていき、やがて本社の中枢を任されるようになることも夢ではありません。そうなれば事業計画に携わったり、広告案を練ったり、人事権を持ったり、教育する立場になったり・・・。それまでの経験を活かしつつ、新たなチャレンジをすることができます。そうなれば当然、実力に見合った昇給も望めるでしょう。もちろん一朝一夕ではありませんし、ホールスタッフが大変な仕事だということには何も変わりはありません。それでも、上を見て努力できるステージはたくさんある業界だということを忘れてはいけません。
そう、転職市場において、ホールスタッフという職業はもっと高く評価されるべきなのです。やる気があれば評価に繋がりやすい、上を目指しやすい。やる気を引き出してくれる要素が盛りだくさんです。転職を考える際は、是非ホールスタッフを検討に入れてみてください。
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