近年のIT関連で最も注目されてきたキーワードの代表格と言えば「クラウド」です。しかし近年、降新たに目にするようになってきた言葉があることをご存知でしょうか?
その名も「ビッグデータ」。この言葉が、現在最も新しいキーワードとして注目されていると言っても過言ではありません。
それでは「ビッグデータ」とは一体、具体的にどんな内容を指しているのでしょうか?
実は現在まだ、「ビッグデータ」という言葉に対して明確な定義があるわけではありません。文字通り「大きなデータ」のことを指し、特に従来のシステムなどでは記録・保管・解析が難しいような巨大なデータ群のことを指すというのは共通しているようです。とはいえ、情報システムのマーケティング用語として既に多用されているのが現状です。
それではここで、「ビッグデータ」についてさらに詳しく見てみましょう。どうやら「ビッグデータ」と呼ばれるものの多くは多くは、単純にデータ量が大きいと言うことだけではないようです。具体的には、様々な種類・形式が含まれる非構造化データ・非定型的データを表すことが多いように見受けます。さらに言うと、リアルタイムで膨大に生成・記録されるものを示すことが多いのです。「ビッグデータ」という概念の出現により、従来は「管理しきれない」と一蹴されてしまっていたようなデータが宝の山に変わりつつあります。「ビッグデータ」を分析する、つまり記録・保管して即座に解析することによって、新たなビジネスが生み出されつつあります。
従来は処理能力が追い付かずに、いわば「廃棄されていた」データの中から有用な情報を抽出し、新たなデータを得られる可能性には明るい希望の兆しを感じている人が多い事でしょう。それではここで「ビッグデータ」を用いた分析について、クライアントからの要望レベルで考えてみましょう。実際にどのような場面での分析に「ビッグデータ」が使えるのでしょうか?
例えば「販売データ」の分析。従来のPOSデータよりも莫大なデータを分析できるとあれば、ナショナル展開をする大手企業、特に食料品・日用品といったものの消費者動向をより詳細に分析していくという要望が出てくることが予想されます。従来、いわば「廃棄されていた」データの中にも、どういった消費者が対象商品を購入しているか、どういった心理状態の時にその商品を手に取るかといった重要なデータが必ず隠れていると言っていいでしょう。
つまり、発想次第で、「ビッグデータ」を具体的に市場分析に役立てていくことは十分に考えられ、既に実用段階になっている、と認識していくべきなのです。
これからの課題は、「ビッグデータ」の分析にかかる費用に対するその効果や、そのシステムを組むのにどの程度の時間が必要になるか?といった点を明確にしていくことです。
従来のクラウドサービスにおいてはもちろん多々の前例がありましたので、どういったクラウドを組み立てるのにどの程度時間がかかるか、また販売価格をどの程度とすべきか、前例に基づいて判断すればよかったので楽だった面もあります。しかし「ビッグデータ」の構築とその分析についてはまだあまり前例が無く、知見も十分に貯まっているとは言い難いですし、どの時点でどんな「予想外」が生じるか読み切れないため、当初から決め打ちの予算が示せないという大きなデメリットがあります。
クライアント側にとっても、予算が明確ではないというのは非常に大きなデメリットです。多くの企業ではまず事前に予算取りをしなければ発注ができませんが、その予算が不明となると発注しづらい環境となります。
しかし今後必ず成長する分野「ビッグデータ」、こつこつと知見を貯めていく価値はありそうです。
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